補聴器メーカーの特徴を国内外6社紹介|補聴器の選び方や注意点も解説

補聴器メーカーの特徴を国内外6社紹介|補聴器の選び方や注意点も解説

世界にある補聴器のメーカー

世界にある補聴器メーカーを国外、国内の2つに分けて解説します。

世界6大補聴器メーカー

補聴器のメーカーには、世界6大メーカーとよばれる6社のメーカーがあります。シェアの9割を占めるとされる世界6大メーカーのブランド名・メーカー名は、以下のとおりです。

  • オーティコン(デマント)
  • シグニア(WSオーディオロジー)
  • スターキー(スターキー)
  • フォナック(ソノヴァ)
  • リサウンド(GNヒアリング)
  • ワイデックス(WSオーディオロジー)

()内に、メーカー名を記載しています。

日本の主な補聴器メーカー

日本にある補聴器メーカーは、主に以下の2つです。

  • リオン
  • パナソニック

オーティコン(デマント)

オーティコン(デマント)の特徴と、商品について解説します。

オーティコンの特徴

デンマークに本社がある補聴器メーカー、デマントが展開している補聴器ブランドです。脳がどう音を処理しているのかの原理を研究した結果をもとに、補聴器を開発しています。2021年には、世界で初めて補聴器専用の「AI雑音抑制」機能を発表しました。

話を長時間聞いても負担が少なく疲れにくい、雑音がある場所でも音の方向感覚がわかりやすい特徴を持つ、オープンサウンドナビゲーターというテクノロジーを搭載しています。聴力測定装置をはじめとする、医療機器の輸入販売も行っています。

オーティコン

オーティコンの補聴器「Real」の特徴

「Real」は、人が話す言葉と自然音の2種類を、両立して聞き取れる補聴器です。不快な音を、自動で低減できる機能も備わっています。DNN(ディープニューラルネットワーク)とよばれる、高度な学習機能を持つAIが搭載されています。

Real

シグニア(WSオーディオロジー)

シグニア(WSオーディオロジー)の特徴と、商品について解説します。

シグニアの特徴

かつて、シーメンスというメーカー名で経営していた補聴器ブランドです。現在は「WSオーディオロジー」グループ内にあり、日本法人の社名は、シバントスとなりました。補聴器とわかりにくいスタイリッシュなデザインが特徴です。音のこもり感を和らげるために、あらかじめ録音した本人の声を、別で処理する「OVP」の技術を搭載しています。

シグニア

シグニアの補聴器「AX」の特徴

「AX」には、2つのプロセッサ(ICチップ)が搭載されています。人の声とそれ以外の音を、異なるプロセッサで分析、処理、再結合することで、人の声がよりはっきり聞こえます。

AX

スターキー(スターキー)

スターキー(スターキー)の特徴と、商品について解説します。

スターキーの特徴

1967年に創立された、アメリカの補聴器専業メーカー「スターキー」のブランドです。1973年には、世界に先駆けてオーダーメイド補聴器の製造・販売を開始しました。超小型の機種や充電ができるモデル、アプリで補聴器を見つけられる機能など、さまざまな最先端技術を搭載している特徴があり、小型で目立たない補聴器には定評があります。

スターキー

スターキーの補聴器「ジェネシス」の特徴

「ジェネシス」には、1時間に8,000万回の音声処理を実施するAIが搭載されています。環境に合わせて適切に自動で調整(フィッティング)をする機能や、転倒を察知し、家族に知らせる機能が備わっています。「MyStarkeyアプリ」に接続すれば、歩数や運動量などの記録も可能です。

ジェネシス

フォナック(ソノヴァ)

フォナック(ソノヴァ)の特徴と、商品について解説します。

フォナックの特徴

スイスの補聴器メーカー「ソノヴァ」の補聴器ブランドです。世界で唯一、チタン製の極小耳穴型を作成した実績があります。携帯電話との接続ができるものや、完全防水モデルなど、製品の種類や数が豊富で、難聴の程度に合った機種が見つけやすい特徴があります。

フォナック

フォナックの補聴器「オーデオルミティ」の特徴

「オーデオルミティ」はAIに基づいた機械学習により、環境設定や快適性のバランスを、自動で調整(フィッティング)できる補聴器です。周りの環境に合わせて、最適な聞こえを提供してくれます。マイクの指向性を声がする方向に自動で調節する「スピーチエンハンサー」の搭載により、雑音のなかでも、横や後ろからの会話を聞き取る機能が向上しました。

オーデオルミティ

リサウンド(GNヒアリング)

リサウンド(GNヒアリング)の特徴と、商品について解説します。

リサウンドの特徴

1943年にデンマークで創業した医療、および通信機器メーカーであるGNヒアリングが開発、販売する補聴器ブランドです。iPhoneと連携する補聴器アプリ、耳の穴の形状をレーザーで3Dスキャンする技術などを開発した実績があります。補聴器とオーディオデバイスの両分野で、研究を続けています。

リサウンド

リサウンドの補聴器「リサウンドオムニア」の特徴

「リサウンドオムニア」は、人間工学に基づく設計で、耳にフィットする補聴器です。騒がしい場所での聞こえが改善できる「フロントフォーカス」、正しい装用ができているかを確認できる「チェックマイフィット」などの機能が備わっています。

リサウンドオムニア

ワイデックス(WSオーディオロジー)

ワイデックス(WSオーディオロジー)の特徴と、商品について解説します。

ワイデックスの特徴

デンマークに本社を置くWSオーディオロジーの補聴器ブランドです。シグニアと同様、WSオーディオロジーによる展開ですが、ブランドの特徴は大きく異なります。ワイデックスは、音の加工による音質劣化防止に力を入れ、遠くの音もよく聞こえる補聴器を多く開発しています。また、小さな音に対する感度が強いことも特徴です。

ワイデックス

ワイデックス(WIDEX)の補聴器「モーメント」の特徴

「モーメント」は、電池のふたがない密閉構造で、湿気やホコリが入りにくい特徴があります。「ゼロディレイテクノロジー」を搭載し、音の遅れ(ディレイ)を1ミリ秒以下に抑えています。

モーメント

リオン

リオンの特徴と、商品について解説します。

リオンの特徴

1944年に量産補聴器を発売した日本のメーカーで、世界ではじめて防水型の補聴器を発売したことでも知られています。電池をどちらの向き(プラスマイナス)に入れても補聴器が作動する、おまかせ回路により、高齢者の電池交換の負担が軽減できる特徴があります。

リオン

リオンの補聴器「リオネット」の特徴

「リオネット」は、音を高速で処理することで音の切り替えが気になりにくい、リオネットエンジンを搭載した補聴器です。自動モード切替(AMC typeR)により、自動で最適な音を提供しています。

リオネット

パナソニック(Panasonic)

パナソニック(Panasonic)の特徴と、商品について解説します。

パナソニック(Panasonic)の特徴

1959年に、はじめてポケット型補聴器を販売した日本のメーカーです。補聴器のほか、家庭用電化製品、住宅設備なども開発、販売しています。ダイコティック補聴処理技術を取り入れ、「音は聞こえているけど、何を言っているか判断できない」という問題を改善しました。

パナソニック

パナソニック(Panasonic)の補聴器「R5シリーズ」の特徴

「R5シリーズ」は充電式の耳掛け補聴器です。マスクをつけた状態で発生する、言葉の不明瞭さを補うモードを搭載しています。また、ボイスフォーカス機能は、後ろや横からの音声をカットして正面からの会話音を際立たせてくれます。

R5シリーズ

補聴器の選び方

さまざまな補聴器メーカーのなかから、自分に合った補聴器はどのように選べばよいのでしょう。ここでは、選び方を解説します。

聞こえに合っているか

さまざまな種類の補聴器から、自分の聞こえの程度に合わせて選びましょう。人はそれぞれ、苦手な音や聞きたい音、生活環境などが異なります。 聞こえに合わせないと、補聴器の効果を十分に得られません。

使いやすいか

補聴器は、長時間使うこともあります。日常生活での使いやすさや装着のしやすさ、使いたい場面などを考えて選ぶとよいでしょう。

必要な機能が備わっているか

補聴器には、さまざまな機能が搭載されています。補聴器に求める機能は、1人ひとり異なるため、「生活するうえでこの機能は外せない」と考えられる機能をチェックしておきましょう。また、多機能、高性能であるほど、価格が上がることが一般的です。利用したいシーンや外せない機能、値段などのバランスを考えて選びましょう。

補聴器を購入するときの注意点

補聴器は、長く使うものです。購入するときに注意すべき点を3つに分けて解説します。

耳鼻科を受診する

耳が聞こえにくい原因は多岐にわたります。耳垢が詰まっていたり、疾患が隠れていたりする可能性もあります。先に耳鼻咽喉科にかかり、聞こえにくい原因を明らかにしましょう。原因によって、補聴器が必要か否かを診断してもらえます。

信頼できる販売店で購入する

補聴器は購入して終わりではなく、使っているうちに再度、調整(フィッティング)が必要になる場合も十分に考えられます。自分に合った調整(フィッティング)と、アフターフォローをしてもらえる販売店での購入がおすすめです。その際、認定補聴器技能者が在籍している販売店を選びましょう。

認定補聴器技能者とは、調整(フィッティング)技術やカウンセリングについて、専門の知識を学び、経験を積み、試験に合格している人です。

集音器と補聴器は異なる

集音器と補聴器は、いずれも聞こえをサポートする製品です。しかし、集音器は医療機器ではなく、雑貨であり、周りの音を大きくする目的で使われます。そのため、難聴者には適していません。

集音器と補聴器は形状が類似していて、見た目では区別が困難です。製品情報をよく確認し、補聴器と誤って集音器を購入しないように注意しましょう。

補聴器購入に使える制度

補聴器の購入には、自治体の補助が受けられることがあります。また、聴力が規定以下の場合、身体障害者の認定が受けられ、障害者総合支援法による補助の対象となる場合もあります。高度難聴にあたる場合は、補聴器の購入時の補助が認められる可能性もあるでしょう。

確定申告時の医療費控除に、補聴器の購入費用が認められています。ただし、診療や治療を受けるために直接必要な補聴器の購入費用に限られているため、注意が必要です。また、購入費用は、一般的に支出される水準を著しく超えない金額内に収めると、定められています。

※参考:補聴器の購入費用に係る医療費控除の取扱いについて(情報)|国税庁

まとめ

補聴器メーカーには、シェアの9割を占める世界6大メーカーや日本のメーカーなど、さまざまなものがあります。自分の聞こえに合っているか、必要な機能が備わっているかなどから、適したものを選びましょう。Vibe(ヴィーブ)は、世界6大補聴器メーカーであるWSオーディオロジーが開発した、革新的なセルフフィッティングを搭載した補聴器のブランドです。

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